多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズ(老視矯正レンズ)について
白内障手術における治療手段の一つでもあります。人間の眼にある水晶体(レンズ)は膨らんだり薄くなったり形を変えて焦点距離を自在に合わせますが、その機能が白内障や加齢などとともに衰えた場合に適用することができます。多焦点眼内レンズは遠方(5m~)と近方(30〜70cm)に対して同時にピントが合うため、今までとは異なる見え方をします。しかし脳が自動的に必要な情報だけを拾い上げるよう適応していくため、多くの場合は徐々に気にならず日常生活を送れるようになります。
多焦点眼内レンズは水晶体と異なり、眼に入ってきた光を遠方用と近方用に振り分けて網膜に投射する仕組みです。取り込む光の量が少なくなるため、見え方のシャープさや微妙な色の濃淡がやや落ちる側面もあるのでご了承ください。ただ、単焦点眼内レンズとは異なり遠近の両方にピントを合わせることができるのは非常に大きなメリット。現在ではこれに加えて中間距離にもピントが合う三焦点レンズも実用化されており、当院ではこの最先端のレンズも選択肢に加えております。